Project/Area Number |
03258230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 敏一 九州大学, 理学部, 教授 (00049397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 邦夫 九州大学, 理学部, 助手 (90201780)
原野 友之 九州大学, 理学部, 助手 (80037275)
水野 健作 九州大学, 理学部, 助教授 (70128396)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥14,000,000 (Direct Cost: ¥14,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥14,000,000 (Direct Cost: ¥14,000,000)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / HGF / HGFレセプタ- / 肝再生 / 腎再生 / インジュリン |
Research Abstract |
肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor,HGF)は、初代培養肝細胞に対する最も強力な増殖促進因子であり、肝再生因子の本体と考えられる新しい増殖因子である。本研究では、HGFの機能について以下の点を明らかにした。1)肝炎、虚血、挫滅、部分肝切除などの様々な肝障害に伴って、障害を受けた肝臓や血中でHGF mRNAやHGF活性が著しく増加することや、肝細胞膜上のHGFレセプタ-が速やかにdownーregulationすることを明らかにし、HGFが肝再生因子として機能していることを示した。2)HGFは肝細胞ばかりでなく、腎尿細管上皮細胞、皮膚のメラノサイト、ケラチノサイトを含む多くの上皮細胞の増殖を促進することを示した。3)逆に数種の癌細胞に対しては強い増殖抑制活性をもつことを明らかにした。4)細胞の運動性を高める活性(motogen)や腎上皮細胞の管腔形成を促進するモルフォゲンとしての活性をもつことを示して、HGFは多様な生物活性をもつ多機能性増殖因子であることを明らかにした。5)HGFは肝再生因子としてのみならず、片腎摘出や腎臓毒や腎虚血による腎傷害時における腎再生因子の一つとして作用していることを示した。6)部分肝切除後、残余肝におけるHGF mRNAの発現が高まる以前に血中に高いHGF活性が検出されることを見出し、この血中HGFは他臓器に由来するのではないかと予想した。事実、部分肝切除や片腎摘出といった臓器の障害に伴って、全く無傷である肺においてHGF mRNAの速やかな発現誘導が起こることを見出した。7)さらに肝障害に伴い肺のHGF mRNAの発現誘導を促す因子(injurin)の血中での存在を明らかにした。8)HGFレセプタ-については、cーmetプロトオンコジ-ン産物との関連を明らかにするため、cーmet cDNAをCOS細胞に導入し、高親和性で機能的レセプタ-の発現を確認した。9)HGF遺伝子の構造を明らかにした。
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