一本鎖DNAとして特殊構造を示すDNA配列とタンパク質の特異的相互作用
Project/Area Number |
03259204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平尾 一郎 東京大学, 工学部, 助手 (50173216)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | DNAの安定なヘアピン構造 / ファ-ジG4の複製開始機構 |
Research Abstract |
1)GCGAAAGC配列を含むDNA断片と一本鎖DNA結合タンパク質との相互作用:すでに我々は,異常に安定なヘアピン構造を形成するGCGAAAGC配列が,ファ-ジG4の複製開始領域のヘアピン構造中に存在することを発見している。しかし,従来から考えられているこの領域のヘアピン構造は,GCGAAAGC型のヘアピン構造とは異なっている。そして条件によっては,これら2つのヘアピン構造のどちらかを形成していることがわかった。この2つの構造の平衡がファ-ジG4の複製開始の機構に関わっていると考え,今回は,この複製に開与している一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)と,この領域の一本鎖DNAの相互作用を調べた。核酸分解酵素による限定分解を用い,DNAの構造を調べたところ,SSBが存在しないと,従来から考えられているヘアピン構造を,SSBが存在(結合する)するとGCGAAAGC型のヘアピン構造をそれぞれ形成することがわかった。すなわち,このファ-ジの複製開始領域のヘアピン構造はSSBが結合することによって構造が組み変わることがわかった。そして,このGCGAAAGC型からなるヘアピン構造がDNA複製を開始させる酵素であるプライマ-ゼと相互作用することが示唆される。 2)GCGAAAGC断片の高次構造の解析:現在,GCGAAAGCをはじめ種々のDNA断片を合成しそれらの構造をNMRスペクトルやX線結晶構造解析等の手法を用いて調べている。NMRは,GCGAAAGCと数種類のDNA断片のNOESYスペクトルより立体構造のモデリングを行なっている。またGCGAAAGC断片の結晶化に成功し,その解析も進行中である。 以上のように申請した内容の大半を達成することが出来た。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)