Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Research Abstract |
分製酵母Schizosuccharomyces pombcを材料に、APー1様転写因子papl^+(pombe APー1like factor1)の生物機能について遺伝学的、細胞生物学的手法を用いて研究している。papl^+は、タンパン質リン酸化酵素阻害剤スタウロスポリンに対して過剰発現により耐性を与える遺伝子として単離された。昨年度までに、抗体を用いた免疫学的方法からpapl^+タンパク質が75kdのリン酸化タンパク質で、in vito でAPー1配列(TGACTAA)と効率よく結合することを示した。 今年度新たに明らかにした研究成果は以下の点である。 (1)papl^+による転写制御を受けるタ-ゲット遺伝子(p25)をクロ-ン化した。p25mRNA量は,papl^+を過剰発現している細胞では、正常細胞に比べて数倍上昇し、逆に、papl^-欠損細胞では、ほとんど発現していなかった。しかもp25遺伝子の上流ーTATAボックスから約120bp5側一には、APー1配列(TGACTAA)が見い出された。in vitro突然異導入により、このAPー1配列が,papl^+によるP25遺伝子の転写制御に必須であることを示した。 (2)papl^+をCEに制御する新しい遺伝子NS23をクロ-ニンがした。NS23を過剰発現させると、papl^+同様p25遺伝子の転写上昇がみられ,それはpapl^+の存在に依存した。 (3)以前、クロマチン構造を維持するのに必須であると分離、解析していたcrml^+核タンパク質がpapl^+依存性転写を負に制御していることを見い出した。すなわちcrml^+に突然変異が起き,不活性化されると,p25遺伝子は逆に大量発現した。以上から,crmlが何らかの機構で,papl^+転写因子を負に活性調節していることが強く示唆された。
|