Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
原核生物レプリコンは大部分、単一の複製開始点(ori)でDNA‐蛋白複合体(イニシオソ-ム)を構築し、複製を開始する。一方、真核細胞のゲノムでは多くのoriクラスタ-からスタ-トするが、その分子機構は全くわかっていない。そこで、本研究では、5.5kb内にoriα,β,γの多複製開始点をもつプラスミドR6Kをモデルレプリコンとして選び,マルティオリジンからの複製開始が如何に起こり、どのように制御されているかを明らかにしたい。本年度はまず、R6Kの3つのoriの活性化に宿主のイニシエ-タ-蛋白,DnaA,およびiterons(π蛋白の結合部位)の結合部位)の両側に存在するDnaA‐box(I), (II)がどのように機能するかを中心に解析を行ない、次の興味ある結果を得た。 1.3個のoriα,β,γをクロ-ニングし、シスに作用するDNA配列を決定した。 2.DnaA蛋白はin vivo,in vitroの両複製系において、3つのoriのいずれからの複製開始にも必須であった。 3.DnaA‐box Sequencesのsite directed mutagenesisやdeletion mutants解析より、oriα,oriβはDnaA‐box(II)のみを要求し、oriγは両box(I),(II)が不可欠であることを明らかにし、ori機能での興味ある差異を見い出した。 4.ゲルシフトアッセイで、DnaA蛋白はDnaA‐box(I)配列よりも、全てのori機能に必須のbox(II)により強い親和性を示した。 今後、これらの成果を踏まえて、π蛋白やDnaA蛋白がiteronsやDnaA‐boxesに結合後、3〜2kbも離れたoriα,oriβをいかに活性化するかをπ蛋白を介してのDNA loopingや各々のoriでのイニシオソ-ムの構築などを中心に解明することにより明らかにしていきたい。
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