単離オルガネラ核の解体と再構成による高等植物の色素体遺伝子発現機構の解析
Project/Area Number |
03262204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 重行 東京大学, 理学部, 助教授 (70161338)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 色素体分化 / 色素体遺伝子 / 色素体核の解体・再構成 / アミロプラスト / アミロプラスト核 / 転写調節 / in vitro転写系 / タバコ(BY‐2) |
Research Abstract |
色素体の発達・分化には色素体遺伝子の転写パタ-ンの大幅な変更がともなう。原色素体、ロイコプラスト、アミロプラスト、葉緑体それぞれにおける色素体遺伝子の転写産物の蓄積量をノ-ザンハイブリダイゼ-ションで比較した。葉緑体における蓄積量は非光合成型の色素体に比べて極めて多く、psbA rbcL petB psaA/B等は非光合成型色素体の百倍以上の蓄積量があり、またrRNA atpA atpBも数十倍多かった。これに対し、Rpl16やrpoBなどは非光合成型色素体で多く、葉緑体と同等かその数倍以上の蓄積量があることがわかった。このような転写調節機能と色素体核構造との関連を直接検討するため、単離原色素体核をNaCl処理し、核タンパク質を段階的に外し、転写活性の変化を解析した。NaCl濃度を上げると、0.1Mで31.30kDaの、0.7Mで69.14kDaのタンパク質が外れ、原色素体核の構造が拡散し、転写活性は著しく減少した。また、転写産物の構成もこれにともなって変化していた。この結果は、色素体核の解体・再構成系が色素体核の高次構造と転写調節機能との関連を解析するために有効であることを示している。色素体核の解体・再構成によって色素体の遺伝子発現制御機構を解析するためには、特異的な遺伝子発現パタ-ンを持つ色素体核が無傷単離できることが望ましい、このためには分化型の転写パタ-ンを持つ色素体核を比較的多量に調製する必要がある。そこで、BY‐2の原色素体を同調的にアミロプラスト化し、アミロプラスト核を多量に無傷単離できる系を開発した。その結果、アミロプラスト核を構築する核タンパク質は原色素体核のそれと大きく異なっていることが明らかになった。このような核タンパク質の相違が、転写パタ-ンの相違に反映されるのかどうかは今のところ明らかでない。しかし、この実験系の開発によって、色素体遺伝子発現と色素体核構造やそれを構築する核タンパク質との関連を詳細に解析することが可能になった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)