光シグナルによって抑制されるpsbA遺伝子の発現ー光化学系II反応中心サブユニットD1タンパク質にみられる転写後の制御とシグナル伝達系の解析ー
Project/Area Number |
03262210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 公行 岡山大学, 理学部, 教授 (10032822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕一郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (50183447)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 光合成 / 光化学反応中心 / D1蛋白質 / 翻訳制御 / ATP / アトラジン / psbA / 蛋白合成 |
Research Abstract |
光合成光化学系II反応中心はD1、D2と呼ばれる2種類の蛋白サブユニットを中心に構築されている。これらサブユニットのうち、D1蛋白質は光照射下で高速度の代謝回転を行っており、この蛋白質合成の光制御のメカニズムの解明が本研究の主題である。本年度は単離葉緑体を用いてこの現象の解析を行うと同時に、合成された蛋白質の機能発現に関与するCー末プロセシング酵素の純化を行った。 単離葉緑体におけるD1蛋白質の合成は光照射に依存する。この光依存性の蛋白合成は光合成電子伝達反応の阻害剤であるアトラジンやDCMUの添加で阻害される。また、この蛋白合成は光リン酸化反応の阻害剤や膜を介するプロトン濃度勾配の形成を阻止する諸種のイオノフォアの添加によっても阻害され、結局のところ、蛋白合成の活性は葉緑体ストロマのATPレベルに対応しているように思われる。ストロマのATPレベルを介した蛋白合成の制御はエネルギ-供給として理解されるが、他の可能性すなわち蛋白合成のinitiationあるいはelongationの特定の段階がATPレベルを介して直接的あるいは間接的に制御されている可 能性も考えられる。後者の可能性を暗示する1つの事実は光照射中断後にみられる17.5kDaポリペプチドの蓄積である。このポリペプチドはリシルエンドペプチダ-ゼによって切断されず、D1蛋白質に対する抗体と反応することなどからD1蛋白質の合成中間体と推定される。このペプチドの蓄積は明条件下においても葉緑体にアトラジンを添加してストロマATPレベルを低下させた場合にも観察され、pabAmRNA翻訳の特定の段階が高濃度のATPを必要としていることを暗示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)