グルココルチコイドによる海馬神経細胞死の機序に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
03263104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
鬼頭 昭三 放送大学, 教養学部, 教授 (00010140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 理絵 東京女子医科大学, 助手 (80209965)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | グルココルチコイド / 海馬 / カイニン酸 / LDH / in vivo dialysis / グルタメイト / GABA |
Research Abstract |
グルココルチコイドによる海馬神経細胞に対する毒性をin vivoとin vitroの両面から観察した。in vivoにグルココルチコイド慢性投与した結果では、通常の組織標本ではみるべき変化はなかった。in vitroの実験は次のように行った。ラット胎児脳より海馬ニュ-ロンを取り出し分離培養を行った。培養神経細胞に10 ^<-5>Mのカイニン酸を加え、そこにさらに各種濃度のグルココルチコイドを加えることにより、カイニン酸の毒性に対するグルココルチコイドの影響をLDHを測定することにより観察した。その結果、加えたグルココルチコイドの用量依存性に海馬の神経細胞死がみられた。このことは、グルココルチコイドがカイニン酸の神経細胞毒作用を増強することを示すものである。 さらに、このグルココルチコイドの作用のメカニズムをさぐるために、ラット脳の海馬に透析プロ-ブを装着し、in vivo dialysis実険によりグルココルチコイドの海馬での神経伝達物質遊離に対する効果を観察した。その結果、グルココルチコイドが海馬でグルタメイトの遊離を促進し、GABAの遊離を抑制することが明らかになった。現在、海馬培養神経細胞に対するグルココルチコイドの毒性に対して、GABA、アセチルコリン等の神経伝達物質や成長因子がどのような影響を与えるかを観察中である。 さらに、pentylenetetrazole(PTZ)により誘発されたラット海馬における原癌遺伝子の発現に対して、グルココルチコイドが与える影響を観察し、グルココルチコイドの毒作用の遺伝子を介するメカニズムについても実験を継続中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)