神経細胞死と樹状突起の形成維持に及ぼす入力の賦法効果ー新しい標識法による研究
Project/Area Number |
03263205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡戸 信男 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50060140)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | Cell death / Dendrite / offerent / Synapse / Trophic effect / labelling Method / Serotouin |
Research Abstract |
脊髄運動ニュ-ロンの樹状突起形成に及ぼす入力の影響を検討する最初の試みとして、セロトニン(5HT)線維を除去する実験を行った。5HT線維はPクロ-ルフェニ-ルアラニン(PCPA)により薬理学的に除去し、PCPAを投与後一週目で鶏の下肢筋にコレラトキシンを注入し、運動ニュ-ロンの樹状突起を逆行性に標識した。樹状突起の形成状態を定量的に評価した結果、PCPA投与によっても樹状突起形成には変化のないことが明らかになった。次にPCPA投与によるシナップス形成への影響を検討した。まず孵化直後の雛にPCPAを投与し、一週目で脊髄各層でのシナップスの密度を調べた。その結果、対照群で5HT線維の分布が観察される部位(I,II,VII,IX層)ではPCPA投与群で20ー40%のシナップスが消失していた。PCPA投与によるシナップス密度の低下は成鶏でも観察された。PCPA投与後のシナップス密度の低下は5HT線維が消失したために生じた現象なのか、またあるいはPCPAの一般的な、いわば副作用によるものなのかを知るために、PCPAとは異なる薬理学的機構によるモノアミン除去薬、レセルピンを使用した。その結果、PCPAと同様にシナップス密度は低下した。しかし正常では5HT線維の分布しない鶏の小脳、ラットの海馬分子層ではシナップス密度は変化しなかった。本研究によって5HTはシナップスの形成維持に深く関わっていることが明らかになった。また成体でもシナップスのturn overが起こっていることが示唆された。5HT線維の除去により大量のシナップスが脱落する事により細胞死が惹起されることが予想されるが現在この点に付いて研究を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)