培養系による中枢神経細胞の傷害機序とその制御に関する研究
Project/Area Number |
03263207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
室田 誠逸 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50072989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 泰樹 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90183003)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 神経細胞 / グルタミン酸 / 神経細胞死 / NMDA / 海馬 |
Research Abstract |
興奮性アミノ酸による神経細胞障害は、虚血性脳障害、頭部外傷などの中枢性疾患に深く関与しているが、そのメカニズムはいまだ仮説の域を出ない。我々は独自の神経細胞培養系を用いて新しい神経細胞死判定系を開発すると共に、薬剤による神経細胞死の予防に関する検討を試みた。神経細胞の培養には胎児脳からのPrinsary cultureを使用せざるを得ないが、常にin vivoとの対比が問題となる。興奮性アミノ酸の影響を検討する際にはその受容体の発現が重要であるため、可及的長期の培養が必要である。このためにはグリア細胞との共存が必要である。我々はグリア細胞の上にカバ-グラスを置きその上に胎児脳細胞を蒔くことにより、2週間前後に渡る神経細胞優位の培養を可能とした。この培養系を用いて興奮性アミノ酸による神経細胞障害を調べる目的で,画像解析装置付き蛍光顕微鏡ACASー507による新しい神経細胞死判定系の開発を試みた。既に神経細胞死は色素排除法や培養液中の酵素測定などによって判定されているが、迅速性、正確性などいくつかの問題点が指摘されている。我々は蛍光発色に生細胞内エステラ-ゼを必要とする蛍光色素FDA、及び細胞膜障害に伴って細胞内に入り蛍光を獲得するPIを用いて上述の問題点を解決した。これにより、数分以内での正確な神経細胞死の判定が可能となった。上述の判定系を用いて新しく合成された薬剤の効果判定を行ったところ、興奮性アミノ酸投与後における処理開始にも有効性が認められた。Fura‐2を用いた細胞内カルシウム測定によって細胞内カルシウム流入の阻害がその作用機序であろうと推測された。以上の様に本assay系は神経細胞死判定のみならず、治療薬の開発、神経細胞死に至るメカニズムの解明に大きな役割を果たすことが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)