MPTPおよび興奮性アミノ酸による神経細胞死とその防御機構に関する研究
Project/Area Number |
03263216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 千賀子 神戸大学, 医学部, 教授 (20025571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 高義 神戸大学, 医学部, 助教授 (50144564)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 細胞内Ca^<2+>濃度 / 神経細胞死 / プロテインキナ-ゼ / プロテインホスファタ-ゼ / プロテインキナ-ゼC / カルシニュ-リン / GABA_B受容体 |
Research Abstract |
細胞内Ca^<2+>は、通常100nM程度の低い値に保たれているが、細胞外からの刺激に応答し、その濃度が急激に上昇することで細胞内セカンドメッセンジャ-として働くと考えられている。このコントロ-ル機構が破綻し、細胞内Ca^<2+>濃度が異常に上昇し続けることにより神経細胞死が惹起されることが示唆されている。本年度、私どもは細胞内Ca^<2+>濃度上昇に引き続き起こる神経細胞死、またその防御機構を明らかにするため、Ca^<2+>依存性に活性化されるプロテインキナ-ゼとプロテインホスファタ-ゼについて研究を行い、以下に示すような知見を得ることができた。 1)発達期脳における神経細胞死とプロテインキナ-ゼCとの関係を調べるため、発達期脳におけるプロテインキナ-ゼC分子種の変化を検討した。すべての分子種は発達にともなって増加するが、α、β1分子種は生下時にすでに存在するのにたいして、β11、γ分子種は生下時には検出されず、シナプス形成が起こると考えられる生後1ー2週から急増することが明らかになった。 2)線条体黒質系におけるプロテインキナ-ゼC4分子種の局在と神経伝達物質の共存について、免疫組織化学的に検討した。その結果、α分子種は線条体コリン作動性細胞や黒質のド-パミン作動性細胞、βー1分子種は線条体内在性GABA神経細胞の細胞に存在していることが明らかになった。 3)カルシニュ-リン触媒サブユニットのサブタイプの脳内分布をin situ hybridization法により明らかにした。またその活性化機構についてカルモジュリンアンタゴニストを用いて解析した。 4)GABA_B受容体をアフリカ爪ガエル卵に発現させ、プロテインキナ-ゼCにより制御されることを示した。 5)ラット海馬CA3領域において、ノルエピネフリン前駆体であるLーthreoーDOPSが長期増強現象を強めることを見いだし、細胞内カルシウム濃度をノルエピネフリンが調節する可能性を明らかにした。 上記のように、プロテインキナ-ゼC及び、カルシニュ-リン各サブタイプの分布が明らかになり、またcDNAも得られたので、現在はそれぞれの神経細胞死及びその防御機構における役割を明らかにするため、さらに解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)