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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
枯草菌で代表される多くのBacillus層細菌は多量の有用蛋白質を培地中に分泌生産する。ことにB.amylaliguefacieusは洗剤用プロテア-ゼやデンプン糖化用αーアミラ-ゼなどの酵素生産菌として利用されてきている。しかしこれらの菌における蛋白質分泌の機構はまったく解析されていない。一方大腸菌では蛋白質膜透過装置を構成する蛋白質としてSecA,Secd,SecE,SecF,SecYなどが明らかにされ,それらの機能も解析されてきている。これらの蛋白質膜透過装置構成成分と枯草菌蛋白質分泌装置構成成分との間の関係を解析することを目的として研究した。枯草菌においてもSecA,SecY遺伝子が 存在することを明らかにすることができた。枯草菌secY遺伝子は大腸菌secYをプロ-ブとして,DNAーDNAハイブリダイゼイション法により単離した。また枯草菌secA遺伝子は温度感受性変異体の中から得ることができた。温度感受性diuー341 変異は42℃で細胞分裂を停止する。同時にこの変異を持つ変異株ではαーアミラ-ゼやプロテア-ゼ等の分泌蛋白質の生産,胞子形成,コンピテンス等も停止する。そこでdiuー341変異を相補できる遺伝子として,diu^+遺伝子をクロ-ン化し,そのDNA塩基配列を決定した。推定アミノ酸配列は大腸菌SecA蛋白質のアミノ酸配列と50%の相同性を示した。そこで枯草菌SecA蛋白質を大腸菌を宿主として大量発現させ,90%以上の純度に純化し,その性質を解析した。蛋白質と性質としては大腸菌SecAと類似して居り,分子量約94000のサブユニットの二量体であり,ATPase活性を保持していた。しかし,枯草菌secA遺伝子は大腸菌secA変異株を相補することはできず,また大腸菌in vitro膜透過系においては枯草菌SecAは作用することはできなかった。
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