アルビニズム(先天性白皮症)の本態に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
03265202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴原 茂樹 東北大学, 医学部, 教授 (70206142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 靖 東北大学, 医学部, 講師 (70108512)
鈴木 裕行 東北大学, 医学部, 助手
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | チロシナ-ゼ / メラニン / アルビニズム / 遺伝病 / 遺伝子 |
Research Abstract |
1.チロシナ-ゼ偽遺伝子の構造解析。チロシナ-ゼ遺伝子のエクソン4と5のみに、偽遺伝子が存在することが判明した。チロシナ-ゼ偽遺伝子の塩基配列は機能し得る真の遺伝子とよく似ており(約98%の相同性)、ここに初めて両者を鑑別することが可能となった。 2.色素細胞特異遺伝子の無細胞転写系の確立。チロシナ-ゼ遺伝子はHeLa細胞由来の無細胞転写系では転写されない。そこで、患者チロシナ-ゼ遺伝子のプロモ-タ-活性の解析のために、メラノ-マ細胞より色素細胞特異遺伝子の転写が可能な無細胞転写系を開発した。この系を利用することにより、チロシナ-ゼ遺伝子のプロモ-タ-機能の異常による眼皮膚型アルビニズム(OCA)の診断が可能となった。 3.チロシナ-ゼ活性陽性型OCAの病因。同症はおそらく症候群であり、種々の病因が存在するものと推定される。同症患者一人のチロシナ-ゼ遺伝子の構造解析により、この患者遺伝子には何等変異が存在しないことを明らかにした。すなわち、メラニン合成にはチロシナ-ゼ以外の因子も必要であり、その未知の因子の異常により陽性型OCAが発症することが初めて明確にされた。4.ヒトチロシナ-ゼ関連蛋白(TRP)遺伝子の単離。TRPはチロシナ-ゼとアミノ酸レベルで約40%の相同性を持つ色素細胞特異的蛋白であり、その真の機能は不明であるが、黒いメラニンの生成に必要とされている。ヒトTRP遺伝子のプロモ-タ-領域、遺伝子の5'端(エクソン1、イントロン1、エクソン2)の塩基配列を決定した。 5.in vivoにおける色素細胞特異遺伝子のプロモ-タ-解析。ホタル由来のレポ-タ-遺伝子の一時的発現により、ヒトチロシナ-ゼとTRP遺伝子の色素細胞特異的プロモ-タ-の機能を解析した。色素細胞特異的なエンハンサ-活性を持つ領域がヒトチロシナ-ゼ遺伝子の上流約3kbの範囲に存在することが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)