Project/Area Number |
03265211
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | プロテインS / プロテインS異常症 / プロテインC / プロテインC異常症 / 先天性血栓性素因 / 遺伝子診断 / 電撃性紫斑病 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
プロテインC(PC)凝固制御系は、生理的にも最も重要な血管内凝固制御機序であり、この制御系に関与するPCおよびプロテインS(PS)のそれぞれの先天性異常症は重篤な血栓症を来すことが知られている。本研究では、先天性PS異常症および先天性PC異常症をタンパク質および遺伝子レベルで解析し、それぞれの機能異常との関係を明らかにすることを目的とする。 本年度は、主に先天性PC異常症の解析を行った。患者は、生後1日目から電撃性紫斑病を来し、PC活性値5%未満、PC抗原値20%で、ホモ接合体PC異常症と診断された。母親はPC活性値50%、PC抗原値50%のヘテロ接合体PC欠損症として、また父親はPC活性値50%、PC抗原値100%のヘテロ接合体PC分子異常症と診断された。患児および両親の末梢白血球からDNAを抽出し、PCR法によりPCタンパクをコ-ドする9個のエクソンDNAを増幅し、それぞれについて塩基配列を解析した。その結果、患児の相補DNAの一方は、プロテア-ゼドメインをコ-ドする第IXエクソン内のTrp・380(TGG)ーGly・381(GGT)のうちの1個のGが欠損し、ここより下流域にframeシフトが生じ、異常な81個のアミノ酸配列を生じていた。もう片方の相補DNAには、Gla修飾されるアミノ酸のGlu・26(GAG)→Lys(AAG)の一塩基置換が認められた。前者の異常は母親の約半数の遺伝子に認められ、プロテア-ゼの触媒機能の低下および肝細胞からの分泌異常の原因になるものと考えられた。また後者の異常は父親の約半数の遺伝子に認められ、PCタンパクの発現は正常であるものの、活性発現の異常の原因になるものと考えられた。 現在、引き続いて先天性PS異常症の遺伝子解析を行っている。
|