Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
脳血流調節における末梢脳血管内皮細胞の役割を調べるために,培養脳微小血管内皮細胞を用いて,エンドセリンの産生とその産生調節機序について検討した。まず脳血管内皮細胞によるエンドセリンの産生を確認し,次に酸素分圧と二酸化炭素分圧の変化がエンドセリン産生にどのような影響を与えるかを調べた。 実験方法と結果:脳微小血管内皮細胞の培養はBowmanらの方法に基いて行った。内皮細胞の確認はDilーAcーLDLにより確認した。まず培養脳微小血管内皮細胞,および培養前の微小血管そのものを用いてエンドセリンmRNA及び培養液中へのエンドセリンー1の放出を確認した。次に,フィルタ-上に内皮細胞を培養し,そのエンドセリンー1の放出がluminal側かabluminal側かを調べ,luminal側の2倍abluminal側に放出されているのを確認した。低酸素がエンドセリン産生に与える影響を調べるため通常の培養条件である20%酸素をコントロ-ルにして,10%と5%酸素下におけるエンドセリンー1産生を測定した。結果は,10%酸素下ではコントロ-ルと有意差はなかったが5%酸素下では有意にエンドセリン産生は低下した。次に,二酸化炭素がエンドセリン産生に与える影響を調べるため5%二酸化炭素をコントロ-ルとして7.5%と2.5%二酸化炭素下でのエンドセリンー1産生を測定した。7.5%ではコントロ-ルと有意差がなかったが,2.5%二酸化炭素下ではコントロ-ルに比べて有意にエンドセリン産生は増加した。 こうした実験結果から,脳血管内皮細胞がエンドセリンー1の産生を通じて脳血流調節に関わっている可能性が示唆された。
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