エンドセリン受容体cDNAを利用したその発現調節因子及び細胞内情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
03268217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
影山 龍一郎 京都大学, 医学部, 助教授 (80224369)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | エンドセリン / エンドセリン受容体 / 組織分布 / 細胞内情報伝達系 |
Research Abstract |
エンドセリンは3種類の内在性ペプチドETー1、ETー2、ETー3からなり、循環器系を中心に広範な薬理作用を持っている。我々は最近、2種類のエンドセリン受容体ET_A及びET_BのcDNAクロ-ンを得、構造解析を行ってきたが、さらに以下に述べるような詳細な組織分布及び機能解析を行ったので報告する。 イン・サイツ・ハイブリダイゼ-ション及びノザン法によるmRNAの組織分布を見たところ、ET_Aは種々の臓器の血管平滑筋細胞、気管支平滑筋細胞、心筋及び脳下垂体前葉に高発現がみられた。一方、ET_Bは中枢神経系のグリア細胞、脈絡叢の上皮細胞、脳室周囲の上衣層、心筋、腎糸球体の内皮細胞、ヘレン・ル-プの細い脚の上皮細胞などに高発現がみられた。以上から、2種類の受容体は中枢及び末梢組織において全く異なる発現分布を示すことが明らかとなった。 次に、2種類の受容体を哺乳動物細胞で発現させて結合能をしらべたところ、ET_AはETー1>ETー2>ETー3の順に高い親和性を示し、ET_Bは3種のTEに対してほぼ同等の親和性を示した。さらに、各受容体の情報伝達を解析したところ、(1)両受容体はETの刺激によりIP_<3->Ca^<2+>系を活性化すること、(2)両受容体の刺激はアラキドン酸の遊離を亢進すること、(3)ET_AはG蛋白質を介してアデニル酸シクラ-ゼ促進系に共役し細胞内CAMP濃度を上昇させるが、ET_Bは抑制系に共役しホルスコリンで刺激したCAMPが生成を抑制することが明らかとなった。以上の結果は、両受容体がそれぞれ異なるG蛋白質を介して複数の細胞内情報伝達系とサブタイプ特異的に共役することを示している。 これらの研究成果は、高血圧や血管攣縮などの病態におけるエンドセリンの作用を明らかにする上で重要な基礎になるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)