エンドセリンの動脈硬化発症および進展に果たす病態生理的役割の解明(特に血球系細胞ー血管内皮ー血管平滑筋相互作用の観点から)
Project/Area Number |
03268220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻原 俊男 大阪大学, 医学部, 教授 (60107042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福尾 恵介 大阪大学, 医学部, 助手 (40156758)
森本 茂人 大阪大学, 医学部, 講師 (20150336)
三上 洋 大阪大学, 医学部, 助教授 (80173996)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / Tリンパ球 / 細胞間相互作用 / インタ-ロイキン2 / エンドセリン1 / 細胞増殖 / プロテオグリカン合成 |
Research Abstract |
動脈硬化の初期病変には単球やTリンパ球など血球由来細胞が集ぞくし、これら血球由来細胞と内皮細胞および血管平滑筋細胞(VSMC)との相互作用が動脈硬化の発症、進展に深く関与していることが予想される。そこで、本研究ではTリンパ球から産生されるインタ-ロイキン2(ILー2)が血管内皮細胞のエンドセリン1(ETー1)産生、およびVSMCの細胞増殖にどのような影響を及ぼすか検討した。ブタ肺動脈由来血管内皮細胞において、培養上清中へのETー1産生は時間依存性に増加したが、1u/mlのILー2はこのETー1分泌を有意に仰制した。さらに、ILー2はETー1mRNAの発現を有意に仰制したことから、ILー2はETー1の産生を転写レベルで仰制することが示唆された。また、Nitric Oxide(NO)合成阻害剤Arg(NO_2)、あるいはsoluble guanylate cyclase inhibitorメチレンブル-はILー2による仰制作用を有意に回復させたことからILー2のETー1産生仰制作用にNOの産生を介したcGMP系が関与していることが示唆された。一方、VSMCにおいてILー2は3u/mlの低濃度において細胞増殖を有意に仰制し、PDGFやEGFの増殖促進作用も有意に仰制した。これに対し、高濃度である300u/mlのILー2はVSMCの細胞増殖を有意に促進させ、PDGFやEGFの作用もそれぞれ相加的および相乗的に増強した。さらに、低濃度のILー2による増殖仰制効果はindomethacinの同時添加により有意に回復した。実際ILー2は増殖を抑制する濃度においてPGI_2の産生を有意に促進させた。また興味深いことにILー2は増殖抑制効果を示す濃度においてプロテオグリカンの合成を著明に促進した。ヘパラン硫酸はVSMCの増殖を抑制することが報告されており、現在どのプロテオグリカン合成が促進されているか検討中である。以上の結果より、動脈硬化の初期巣に多く存在する活性化されたTリンパ球はILー2の産生を介して血管内皮細胞やVSMCの機能に影響を与え動脈硬化の進展に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)