血管平滑筋のアクチン遺伝子発現機構と細胞の遊走増殖
Project/Area Number |
03268221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三輪 岳志 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20174229)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | アクチン遺伝子 / 平滑筋 / 遺伝子発現 / 遺伝子進化 / 転写因子 |
Research Abstract |
収縮蛋白質の多くは一群の遺院子によりコ-ドさせているアイソフォ-ム群としてゲノム上の存在し、発生過程でひとつの遺伝子だけが選択的に発現される。ヒトには6種類のアクチン・アイソフォ-ムが知られており、4種類は組織特異的(血管平滑筋、胃壁平滑筋、骨格筋、心筋)で、のこりの2種類は細胞質アクチンとして非筋細胞一般に分布している。遺伝子構造の解析から、6種類のアクチン遺伝子は進化上では細胞質アクチンと組織特異的アクチン遺伝子群に大きく分かれ、後者は骨格筋、心筋アクチン遺伝子群と血管、胃壁平滑筋アクチン遺伝子群に分かれることが示された。この分類は発現器官組織の発生分化とよく一致し、遺伝子に伴い発現調節系も進化することで組織特異性を獲得したことが推察される。アクチンの遺伝子発現調節ではスプライシングによるmRNAの変化はなく、転写レベルのみで行なわれていた。 血管平滑筋のアクチンの発現調節領域の解析からプロモ-タ-部位と第一イントロン内部に発現調節領域を見いだし、DNAエレメントとして3種類を同定した。第1のCArGbox配列はアクチン遺伝子群に共通に存在するDNAエレメントである。第2はTAATをモチ-フにするA/T領域で上記のCArGbox配列に重なる形で存在し、核内因子A/TBFが結合するが、両者の核内因子結合は独立していた。第3はEbox配列で、MyoD1ファミリ-遺伝子関連の転写調節系である。現在のところ、平滑筋細胞からはMyoD1ファミリ-関連の遺伝子は発見されていないが、このデ-タ-はその存在を示唆するものである。これら3種類のDNAエレメントは胃壁平滑筋アクチン遺伝子にも見いだされており、両平滑筋アクチン遺伝子共通の機構であろう。現在のところ血管平滑筋アクチン遺伝子特異的な発現調節系は見つかっていない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)