血管内皮由来弛緩物質としてのプリン物質及びNOの作用機構と高血圧症における役割
Project/Area Number |
03268223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
服部 圭佑 島根医科大学, 医学部, 教授 (80112134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠塚 和正 島根医科大学, 医学部, 助手 (50117777)
小林 裕太 島根医科大学, 医学部, 助手 (40162028)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 血管内皮細胞由来弛緩因子 / アルギニン・NO産生系 / ニトロアルギニン / 血圧調節 / 脳卒中易発高血圧自然発症ラット / 加齢 / 高血圧 / 胸部大動脈 |
Research Abstract |
血管内皮細胞由来弛緩因子(EDRF)が一酸化窒素であり、アルギニンから産生されることが示唆されている。今年度は、アルギニン・NO産生系の循環器系における生理的意義、病態生理学的役割を明らかにする目的でアルギニン・NO産生系の血圧に及ぼす影響及びアルギニン・NO産生系と加齢あるいは高血圧との関連を検討した。 1.わたしどもが見いだしたNO産生阻害薬であるNO_2Argの1週間経口投与でラットは昇圧を示し、この時胸部大動脈標本のACh反応性は低下していた。逆にLーアルギニン長期投与により脳卒中易発高血圧自然発症ラット(SHRSP)では血圧がわずかながら有意に低下し、この時Lーアルギニン投与群の血管のACh反応性は増加していた。これらのことはアルギニン・NO産生系が血圧調節に関与していることを示唆する。2.内皮からNOを放出させるACh及びA23187に対するラット胸部大動脈の反応性は加齢にともない低下した。またNO溶液に対する反応も同様に低下した。一方、平滑筋においてNO類似作用を示すニトログリセリンなどの反応性には加齢変化は認められなかった。以上より加齢にともなうACh反応性の低下は内皮細胞レベルでのアルギニン・NO産生の低下や平滑筋でのNO反応性の低下ではないことが示唆され、平滑筋内皮由来ないしは外来性のNOの血管平滑筋への分布及びその間の代謝における変化のためである可能性が考えられた。3.SHRSPでは内皮細胞依存性弛緩反応はWKYに比べ著しく減弱していた。しかし、NO_2Argによる昇圧反応、NO_2Argによる血管のACh反応性の低下はSHRSPでも認められ、アルギニン・NO産生系は高血圧自然発症ラットにおいても血圧調節に関与していることが示唆された。高血圧自然発症ラットにおける内皮依存性弛緩反応の減弱の機序としては、加齢動物の場合と同様に平滑筋内皮由来ないしは外来性NOの血管平滑筋への分布及びその間の代謝における変化のためである可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)