Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 俊正 東京大学, 農学部, 教授 (00011867)
荒井 綜一 東京大学, 農学部, 教授 (20011934)
多田 富雄 東京大学, 医学部, 教授 (10009136)
井村 裕夫 京都大学, 医学部, 教授 (10025570)
杉本 悦郎 京都大学, 農学部, 教授 (50026522)
|
Research Abstract |
食品には,生体の構成要素やエネルギ-源としての栄養的機能(一次機能)と味覚,臭覚,視覚などの感覚刺激源となる感覚的機能(二次機能)がある。最近,免疫系,外分泌系,神経系などに影響を及ぼす因子が食品中に存在することが見いだされ,食品には従来の一次,二次機能の他に生体調節機能(三次機能)と呼ぶべき機能があると考えられている。そして,疾病の発症予防(健康の維持),病態の改善(病気の治癒),健康の増進はこの食品の三次機能に依存する可能性があることが指摘されている。このような背景のもとに,文部省科学研究重点領域研究「食品の生体調節機能の解析」が昭和63年にスタ-トし,農学,医学,薬学分野の研究者を結集し,精力的な研究が行われた。その結果,生体調節機能を持つ新物質が食品成分として多数発見され,物質が単離され,構造が明らかにされ,作用の分子機構が解明された。また,食品成分と免疫系,外分泌系,内分泌系,神経系との間に今までに知られていない相互作用があることが発見され,これからの食品学の展開に重大な影響を及ぼす知見が得られた。更に,直ちに応用的価値を持つ研究成果も得られた。すなわち,この研究成果は基礎的局面では食品学の研究における指針を示し,応用的局面では将来の食品のあり方を示すものである。 本研究は,この3年間に得られた重要な研究成果をとりまとめ,研究成果報告書を作製した。
|