Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 鉄郎 中央大学, 商学部, 教授 (00147000)
中瀬 忠和 中央大学, 商学部, 教授 (40055223)
田中 茂次 中央大学, 商学部, 教授 (10055080)
北村 敬子 中央大学, 商学部, 教授 (70055242)
井上 良二 滋賀大学, 経済学部, 教授 (60555192)
井上 良二 滋賀大学, 経済学部, 教授 (60055192)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
平成4年度は、前年度に引き続いて有価証券報告書の分析を行い,わが国の経営者の会計行動に関する説明モデルの構築に向けた研究が行われた。 説明モデルの構築にあたって,わが国の経営者の行動理論として,次の二つの仮説が考えられた。 (1)わが国の経営者は,従業員の福祉を最大化することを目標に行動するという仮説。わが国の代表的な企業における大株主は法人であり,しかも通常,いわゆる株式の相互持ち合いが特徴となっている。そのため,経営者はその行動にあたって一般株主の意向を特に考慮に入れる必要はなく,むしろ従業員の福祉を斟酌して行動すると考えられる。 (2)わが国の経営者は,一定水準の業績を保つことを前提に,その限りにおいて従業員の福祉の最大化を図ろうと行動するという仮説。わが国では,銀行が債権者であると同時に株主という役割も演じており,株式の相互持ち合いの一端を担っている。メイン・バンクとしての銀行は,特に企業の倒産回避に必要な一定水準の業績の達成を重視する傾向を持つ。そのため,経営者は,一定水準の業績を保つことを前提に,その限りにおいて従業員の福祉の最大化を図るように行動すると考えられる。 パイロットテストの結果,上記のうち(2)の仮説に基づいて説明モデルの構築を試みることが有効であると判断された。そこで,従業員の福祉の最大化と一定水準の企業業績を説明変数とし,会計方針の変更の有無を被説明変数とするモデルの構築が試みられ,説明変数のサロゲートとして給料,賞与,福利厚生費の合計を従業員数で除したものおよび自己資本利益率の増加率を用いて,重回帰分析が行われた。 前年度および本年度の研究結果をとりまとめ,研究成果として公表する予定である。
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