Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲夫 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (70112430)
田中 良和 京都大学, 理学部, 助手 (00025420)
平林 順一 東京工業大学, 草津白根火山観測所, 助教授 (30114888)
石原 和弘 京都大学, 防災研究所, 助教授 (30027297)
加茂 幸介 京都大学, 防災研究所, 教授 (70025328)
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Research Abstract |
霧島火山群・新燃岳において1991年11月13日から微小地震の群発活動が発生した.この群発活動の時間的推移,噴火との関連等を検討するため,常設の地震観測に加えて,地磁気,電気抵抗,地殼変動,熱,火山ガス等の観測調査を行った.群発地震は,1日に200〜300個の頻度で11月26日まで続き,その後連続微動の発生へと移行した.震源はいずれも新燃岳火口直下の深さ2〜3kmで,マグニチュ-ドは2.0以下と小規模であった.この間,11月19日と23日には数分間の連続微動が発生し,その後約1日程度地震活動の空白が見られた.この微動に対応した表面現象は特に観察されなかったが,24日の13時53分に火口内の東側から水蒸気を噴出した.これに伴う,地震や微動は観測されていない.11月26日以降地震は激減し,かわって振幅の小さな連続微動が発生し始めた.火口内東側に噴出した噴気は,30日頃から増大し,12月1日〜2日,および4日には微量の火山灰を噴き上げるに至った.こうした活動に対応して,山頂と山麓を結ぶ光波測量では,11月末から12月初めにかけて30ミリ程度の伸びが観測された他,傾斜観測によっても山上がりの傾向が観測され,地磁気観測では地下の温度上昇に伴う地磁気の減少が観測された.12月半ば以降は,地震・微動とも少なくなり,地殼変動も,光波・水準とも変化無し,あるいはやや圧力減少の傾向を示している.しかし,熱消磁は依然として継続しており,地震,微動とも小規模ながら増減を繰り返していることから,今後とも活動の推移に注意していく必要がある.
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