Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 勝義 東北大学, 農学部, 教授 (50005617)
塩見 一雄 東京水産大学, 水産学部, 教授 (90111690)
鈴木 譲 東京大学, 農学部, 助教授 (40107412)
酒井 正博 北里大学, 水産学部, 助手 (20178536)
堀 貫治 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (50116662)
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Research Abstract |
平成3年11月開催の班会議におけるレクチン研究に関する現状と今後の研究の方向に関する分析は以下の通りである。海洋生物においては微生物から海藻,海綿動物,軟体動物,節足動物,棘皮動物,魚類など広範な生物にレクチン活性が認められているにも拘らず,検索に留まるものも多く,糖結合特異性や構造などはほとんど未知のものが多い。最近動物レクチンの分子構造の解析が急速に進展した結果,植物レクチンとアミノ酸配列の類似性がないこと,構造的には大きくCータイプ・レクチンとSータイプ・レクチンに分けられることが明らかにされた。 レクチンの生体における役割については無脊椎動物において抗体に代る異物認識など生体防御上の役割を果たす説が早くから提唱されてきたが,最近,ニワトリ胚レクチンや肝レクチンが器官形成やアシアロ糖タンパン質の肝臓における取り込みに機能することが明らかにされた。また,細胞間接着における細胞認識,共生関係の構築など様々な生理機能が示唆されるなど,未だ系統的理解は得られていない。 海洋生物はその生物種の多様性と相まって,レクチン研究の格好の対象であり,今後も共同研究を強力に推進する必要がある。とくに水産学の分野においては永年の懸案である耐病性などにも深く係っていると考えられる。また,レクチンが高機能高分子として受精や器官形成などの再生産過程にも深く係わっており,その機能評価が水産増養殖が抱える諸問題の解決に不可欠であると結論された。 これらの討議の内容は小冊子として印刷し,関連分野の研究者に配布することとなった。
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