Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1991: ¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
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Research Abstract |
前年度に具体化した主な項目は,1)微視力学モデルに基づく弾塑性構成式の定式化,2)熱・弾塑性応答の数値解析ソフトウェア作成,3)局部加熱方式動的熱変形試験装置の設計・製作,4)クリープ効果の基礎的検討である。当該年度では、まず始めに上記1)に基づく2)のソフトウェアを用いて、平板状のZr3_2-Ni系傾斜組成制御体に関する一連の熱応力解析を実施した。特に上記3)との関連から、Ni相の塑性挙動を無視した弾性解析およびこれを考慮した弾塑性解析によって一次元熱流場での過渡応答をシミュレートした。その結果,弾性解析では高温側のZrO_2-Ni層内に発生する最大圧縮応力を過大評価すること,またNi相内での応力、部分的に降状応力レベルを大きく上回ることから,本徴視力学アプローチによる弾塑性解析の有用性を確認した。さらに検証実験のための供試体をホットプレス法で作製するため,その際の熱履歴に伴う残留応力を上述の弾塑性解析法を発展させて定量化し,熱応力割れを抑制する作製条件を明らかにした。その結果に従って6層構成のZrO_2-Ni系傾斜組成制御体(100ZrO_2/80ZrO_2-20Ni/60ZrO_2-40Ni/40ZrO_2-60Ni/20ZrO_2-80Ni/100Ni;各層の厚さ0.5mm)を作製し,その健全性を確認した。一次元熱流場での加熱試験に先だって,本供試体における各層の熱伝導率を実測して微視力学的な予測値と比較すべきと考え,当初計画を変更し,基本的には前記3)の試験装置を利用した定常比較型のシステムを開発した。このシステムは,供試体内部の一次元定常温度分布を近接拡大レンズを装着した赤外線熱画像カメラにより計測するもので,従来は測定が困難であった多層積層材をそのまま供試体として構成層の熱伝導率評価が可能であることから,プラズマ溶射プロセスで多層形成した被膜についても検討し,本システムの有用性を確認した。このことは本研究の副次的な成果として特筆できる。このような事情で、当初に計画した実験は現時点では未完であるが,予想外の問題は特に無く,近々(数箇月内)に完了の見込みである。
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