急性膵炎の発生、重症化機序における活性酸素動態および消去剤の作用に関する研究
Project/Area Number |
03454319
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
真辺 忠夫 (1993) 京都大学, 医学部, 講師 (80127141)
仁尾 義則 (1991-1992) 京都大学, 医学部, 助手 (20208119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塩 学而 京都大学, 医学部, 助手 (80131100)
真辺 忠夫 京都大学, 医学部, 講師 (80127141)
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Project Period (FY) |
1991 – 1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 急性膵炎 / 浮腫性膵炎 / 重症化機序 / 活性酸素 / 出血性膵炎 / TBA反応物質 / 活性酸素消去剤 / 膵血流 / ブラディキニン / プロスタグランディン / セロトニン / ヒスタミン / 急性膵尖 / 虚血・再還流 / SOD / キサンチンオキシダ-ゼ / 過酸化水素 |
Research Abstract |
急性膵炎の軽症膵炎から重症膵炎への重症化機序を活性酸素動態から明らかにするために、軽症膵炎である浮腫性膵炎をラットを用いセルレイン過剰投与(10ug/kg/hx6時間)によって作成し、その間に出血性ショックストレスを負荷し、浮腫性膵炎から出血性膵炎への変化を組織学的所見、膵酵素動態、過酸化脂質動態から観察した。出血性ショックは、セルレイン注入開始1時間15分後より10分間かけて脱血を行い、平均動脈圧35mmHgに30分間維持することによって作成し、その後還血を行った。 その結果、セルレイン単独投与では、血清アミラーゼ活性は、コントロールの17倍、リパーゼ活性は、246倍に上昇した。しかし脂質過酸化の指標となるTBA反応物質の増加はみられなかった。組織学的には細胞間浮腫、細胞浸潤、空胞の出現などがみられた。セルレイン膵炎に出血性ショックを加えると、血清アミラーゼ値は、コントロールの25倍、リパーゼ値は343倍へとさらに著明に上昇し、TBA反応物質の増加が認められた。組織学的には、細胞浸潤、空胞変性に加え、出血、壊死がみられ、重症化膵炎への移行が観察された。 一方、この重症膵炎モデルにあらかじめ活性酸素消去剤であるsuperoxide dismutase(SOD)およびcatalaseを負荷すると膵酵素の上昇が抑制され、TBA反応物質の上昇も抑制された。組織学的な出血、壊死の所見も改善された。 このように、浮腫性膵炎に出血性ショックを負荷することによって出血、壊死性膵炎が惹起され、この重症化が活性酸素消去剤によって抑制されることが明らかになった。 これらの結果より、膵炎の重症化機序に活性酸素が重要な役割を演じていることが示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)