Project/Area Number |
03454336
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石原 恒夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10051070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90201227)
加藤 良一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00161133)
菊池 功次 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40129408)
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80051704)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | 全合成系人工赤血球 / 人工酸素運搬体 / リポソ-ムヘム |
Research Abstract |
全合成系人工赤血球リポソ-ムヘム(L/H)の酸素運搬能を以下の実験において検討した。 室内気で調節呼吸としたビ-グル犬から循環血液量の40%に相当する30ml/kgを脱血し出血性ショックに陥らせた後、同量のL/H溶液を静脈内投与しこのL/Hの酸素運搬体としての機能をみるとともに(I群、n=6)、同量の生理食塩水を投与したII群(n=7)と比較した。 I群では平均体動脈圧は脱血後の99±28mmHgから134±158mmHgへと有意に上昇し、3時間後までそのレベルを維持した。心拍出量は脱血により1.99±0.51L/minから0.65±0.16L/minへと低下したがL/H投与により1.52±0.10L/minへと増加し、注入後30、60、90分ではII群より有意に上昇していた。平均肺動脈圧はL/H投与によりII群より上昇した。混合静脈血酸素分圧は32.1±3.0mmHgから42.1±8.0mmHgへと有意に上昇した。血中乳酸濃度を血中ピルビン酸で除した乳酸/ピルビン酸比はI群で注入30分後に脱血30分後の値より低下する傾向のあるもののII群との間に有為さはみられなかった。酸素運搬量は121.1±17.3ml/minからL/H投与により230.7±36.7ml/minへと上昇しII群との間に有意差を認めた。注入直後ではL/Hによる酸素運搬量が19.2%を占めていた。酸素消費量も投与後120分まで有意に上昇し、直後ではL/Hによるものが24.4%を占めていた。また、I群でのL/Hの血中内濃度は投与直後では平均1.6mMで、3時間後では1.3mMであり、L/Hの血中半減時間は10時間前後であった。このようにL/Hは生体内において酸素運搬能を有し、その運搬された酸素が末梢組織で利用されており、生理食塩水投与以上に循環動態を改善させていた。
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