Research Project
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
本年度は、過去2年間にわたって実施した、沖永良部島と宮古島を中心とする現成礁の現地調査のまとめを行なった。まとめにあたっては、文献資料やその他の研究上の情報の収集のために研究諸機関を訪問した。また、調査結果のまとめのための室内作業を行なった。この他、造礁サンゴを中心とする採集試料の年代を確定は、炭素14による放射性年代測定を行なった。成果のおもなものは、サンゴ礁形成域の周辺域に位置する琉球列島において、サンゴ礁地形の寸づまり現象の作業仮説の検証が一応できたことである。とくに礁斜面の基底の深度、デイリー点は、北限に近い沖永良部島は40〜50m、南に位置する宮古島が60〜65mと深くなることを確認した。また、サンゴ礁の礁斜面と礁原と礁湖からなる現成礁の三次元的な地形は、島棚の勾配が急になるとともに現成礁の平面的な幅も狭くなるという寸づまり現象を確認した。寸づまり現象は、一つの島の中でデイリー点が同じでも島棚の勾配が緩ければ、現成礁の幅は広くなり、急ならば狭くなることを確認した。さらに、現成礁の海面付近の地形について、海面上昇との関係で地形形成の過程の理解に新資料を加えることができた。このことについては、沖永良部島と宮古島の現成礁を水路法で観察し、年代測定資料とともに地形発達の過程を具体的に明らかにできた。以上の詳しい成果は、別添資料の研究報告書としてまとめた。
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