半導体レ-ザ-を用いた同期量子ビ-ト法による簡易型セシウム周波数標準器の試作
Project/Area Number |
03555009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理計測・光学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 行男 神戸大学, 教養部, 助教授 (40025482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 敏郎 神戸大学, 教養部, 講師 (70192573)
國友 正和 神戸大学, 教養部, 教授 (40031348)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | セシウム周波数標準器 / 半導体レ-ザ- / 同期量子ビ-ト法 |
Research Abstract |
表記の課題について計画に従い、基礎研究としてCsにおける超微細遷移の同期量子ビ-ト分光の研究と、装置の試作研究を行った。 まず、半導体レ-ザ-にマイクロ波帯(9.2GHz)の変調を加える実験を行った。高周波信号発生器・増幅器とコムジェネレ-タ-とを組み合わせて、CsのD_2線(852nm)に同調する市販の半導体レ-ザ-素子に約250MHzの繰り返しでパルス電流を注入し、バイアスTを用いて適当な直流バイアス電流を加えることによって、250MHzで繰り返すパルス発振光を得た。電流と発振光のパルス幅はサンプリングオシロスコ-プにより観測しそれぞれ150ps程度及び100ps以下であった。本研究ではこの光パルス列の繰り返し周波数250MHzの37次の高調波成分(9.2GHz)を用いるため、50ps程度以下のパルス幅が必要となる。使用した光検出器(アバランシェフォトダイオ-ド)の時間分解能によって制限され、光パルスの時間幅は十分の精度では今のところ測定できていないが、ほぼ目標値まで達していると考えられる。この状態でレ-ザ-の発振スペクトルには数nmの範囲に10本程度の縦モ-ドがみられた。続いて、このレ-ザ-をCsのD_2線に安定に同調させて蛍光を観測した。以上の通り光源に関する部分はほぼ完成している。 一方、Cs周波数標準器の動作特性に大きく関わる基底状態のコヒ-レンスの緩和過程について基礎的な実験的研究を行った。ゼ-マン準位の同期量子ビ-ト分光(5MHz)の実験で、誘導同期量子ビ-トエコ-と名付る現象を見いだし、これによって試作研究の一助となる新しい側面からの緩和現象に関する知見を得た(論文準備中)。 以上の通り、研究計画は多少遅れているが着実に進行している。装置試作の作業を引続き行い、初期の目標を達成できる見通しである。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)