Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本年度は,主として網目状ポリアクリルアミドゲル中への酵素や微生物の包括固定化に関する研究を行った。 第1段階として,グルコアミラーゼの固定化を試みた。その結果,得られたグルコアミラーゼの固定化率は,著しく向上し,水溶液に対するモノマーのモル比0.2の場合で,固定化率は,65%に達した。この固定化酵素の安定性と生産性は,デキストリンを基質とした場合,各々520時間,0.635mol/gとなり,キトサンビーズによる結果より優れていた。 第2段階として,上記と同様の手法により,ポリアクリルアミドゲル中にリポーゼを固定した。この固定化リパーゼは,高い熱安定性を示し,また,グリセリンとオレイン酸からのグリセリド合成に対して,高い反応選択性を示し,モノエステルが優先的に合成されることが分った。さらに,この固定化リパーゼのエステル率は,ゲル中の水分量を制御することにより高め得ることが分った。水分量の制御に都合の良いように,W/Oエマルション系を利用して,殻の部分のポリアクリルアミド中にリパーゼを固定化し,その内部に水分を含むマイクロカプセルを合成した。 微生物の固定化は,液体窒素による凍結脱気法を含む本研究の手法では,成功しなかった。そこで,ポリビニルアルコールの反復凍結融解法によってセルロース中空糸表面への酵母菌の固定を試みた。その結果,アルギン酸カルシウムによる固定化より強度的にも優れた固定化酵母がが得られた。 プラズマグラフト重合法により,ポリテトラフロロエチレン中空糸表面にポリアクリルアミドのグラフト層を付与した複合膜を作成した。この内側にトルエンに溶解した抽出剤を,外側にpHを調整した希土類元素イオン水溶液を通過させて抽出実験を行った。その結果,中空糸表面に形成されたポリアクリルアミド層は,イットリウムと他の希土類元素との間の抽出分離能力を大きく向上させることが分った。
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