文化と価値と行動:新たな測定法の開発にもとづくその関係の再解釈
Project/Area Number |
03610031
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | CULTURE / VALUES / COLLECTIVIOM / INDIVIDVALISM / INTERPERSONAL DEPENDENCY |
Research Abstract |
本研究の目的は文化を測定するための方法の開発、特に文化のエミック的側面とエティッ的側面とを同時に測定するための方法の開発にあった。交差文化心理学における研究の多くは、個人主義とか集団主義とかいった文化の諸次元が交差文化的に測定可能であるという前提にもとづいている。しかし本研究の予備調査の結果、集団主義および個人主義のいくつかの測定方法の内的信頼性がかなり低いことが明らかにされた。これらのアメリカで開発された測定方法は、交差文化研究で用いることを前提に開発されているが、日本での適用には大きな限界のあることが明らかにされた。このことは、日本人学生にとっての集団主義の意味が、アメリカで測定法の開発にあたった研究者によって想定されていた意味と異なっていることを示唆している。つまり、エティック(すべての文化に普遍的)であると想定された測定法が、日本人学生の持つ集団主義の意味(つまりエミックな、特定の文化にのみあてはまる意味)を測定できなかったわけである。この間題を克服するために、ケリ-の方法をもとにしたSGMC法が開発され、その方法による文化測定と、(集団主義、価値、依存性などの文化特性についての)伝統的な測定法の双方を用いた調査が、札幌と長崎の大学生を対象に行われた。結果は、調査対象者自身にとっての文化や個人主義の意味が、伝統的測定法の測っている内容と実際に異なっていることを示している。また、SGMC法により得られた結果は、これまでの方法では矛盾するとされてきた知見(例えば集団主義社会には通常は存在しないはずの価値の存在)を説明することができる。最後に、興味ある知見として、調査対象者によって日本文化および集団主義の特徴とされている特性を、対象者自身は持っていないと考えていることが明らかにされた。
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Report
(1 results)
Research Products
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