Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
「都市化社会における家族生活の変容と保育ニ-ズの多様化」をテ-マとする,大都市(東京都渋谷区)と地方中核都市(岡山県倉敷市)の2つの地区を調査対象とした実証的研究である。保育所長・保母をはじめ保育行政担当者,園児の保護者,地区住民などからの聴取や,関係資料の収集によって実態を調査し,その結果を分析した。 2つの地区はいずれも都市化の影響をより強くうけ、そこでの家族生活は大きな変容を示してきた。例えば核家族化の進展は著しくそれぞれの地区で70〜80%を占め,母親の就労率も高い。また,両親の職種や就労形態は多様で,したがって家族生活もさまざまな様相を呈する。こうした状況の中で,保育所保育への要求=保育ニ-ズは量的にも質的にも多様化する。 地区住民の保育ニ-ズをまとめるとつぎのとおりである。まず,(1)保育時間の延長,(2)休日保育,(3)病児保育・障害児保育・産休明け保育など,いまの措置対象となっている子どもに関するものがあげられる。一方,措置対象外の子どもにも向けられ,(4)一時保育・非定型保育(一時的にあずかったり,保育日数や時間を親の事情に合わせる),さらに広く地域社会に開放された保育施設としての(5)地域の子育てサ-ビスセンタ-の役割を期待する。地域への開放は乳幼児のみに留まらず、小中高生や大人・老人をも対象とする,(6)ボランティアの受け入れ,(7)小中高生へのサ-ビス(学童を放課後一定時間受れ入れる,中高性が乳幼児と触れ合う場を提供する)などのニ-ズが生ずる。 このような多様化する保育ニ-ズは、さきにあげた家族生活の状況と併せてここでは地域生活ネットワ-クのあり方も大きく作用していることを指摘できる。したがって、都市化のもとで、今日、保育所保育はそのあり方について根本的に問われているのである。
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