英国における児童虐待問題への教育的アプロ-チに関する研究
Project/Area Number |
03610104
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Okayama Prefectural Junior College |
Principal Investigator |
福 知栄子 岡山県立短期大学, 保育科, 助教授 (50123625)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 児童保護手続き / 虐待のサイン / 虐待問題担当教師 / 教育ソ-シャルワ-ク / 教育と福祉の協働 / 児童の依存性 / クリ-ヴランド報告 / エンパワ-メント |
Research Abstract |
英国では1991年10月14日に新児童法が実施され、被虐待児童の保護における諸手続きも各地で改訂されてきている。本研究では、既に改訂を終えているいくつかの地方当局の児童保護手続き(サザ-ク、ハンバ-サイド、ハ-ロ-等)を用いて、教師(学校)の役割について整理を試みた。 新児童法実施に伴って改訂された「ワ-キング・ツゲザ-」(91年11月)では、被虐待児童の発見と送致における教師の役割の重要性が強調された。児童保護における教師(学校)の役割は、(1)児童の出すさまざまなサインを敏感にキャッチすること、(2)虐待問題担当上級教師の任命、(3)社会サ-ビス部への送致と24時間以内の報告書作成、(4)ケ-ス会議への出席、等である。また、教育ソ-シャルワ-クサ-ビスは教師に助言や支援を提供する。さらに、90年のスタフォ-ドシャ-の養護施設の職員による児童の虐待事件の発覚後、地方当局の保護下にある児童の福祉への関心が高まり、全ての学齢児童についての教師の責任が再確認されており、コミュニティ・ホ-ム、情緒障害児施設(寄宿舎学校)、フォスタ-・ファミリ-で生活している児童についても、学校と施設の連携を図るリンク教師等、教育の側から積極的に援助活動を展開している事例(リ-ズ)にも注目した。 一方、児童虐待の予防ワ-クにおける教師の役割も重要であり、既に学校では「キッド・スケ-プ」等の学習パッケ-ジを用いて児童に自己防衛の方法を教えている。親の同意のもとに児童の発達段階に即して学習が進められ、児童は虐待された時に援助が求められることを学んでいる。しかし、性的虐待が増大するなかで、ただ単に言葉の上で「ノ-」ということだけを教える方法には限界があり、より広範な視野のもとにカリキュラムに明確に位置付けられ、学校ごとに児童の実態に見あった新たなアプロ-チの開発が必要とされている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)