日英の大学入学者選抜方法並びに試験問題に関する比較社会学的研究
Project/Area Number |
03610124
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 洋 京都大学, 教育学部, 助教授 (70067677)
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Project Period (FY) |
1991 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 英国の学外試験 / Aレベル試験 / 受験生 / 文化資本 / 選抜 / 入学試験制度 / イギリスの学外試験 / イギリスの大学入学者選抜 / GCSE(中等教育一般証書) / 階級と大学進学 / UCCA(大学入学中央協議会) |
Research Abstract |
今年度は日英の入試に直面している受験生の比較調査をおこなったが、そこで得られた知見は以下のようである。(1)日本では自由記述欄への記述が低い(日本18%、英国46%)、(2)選択項目のある質問では、日本の場合はDK回答(「わからない」「あてはまらない」)を避けて選択項目のなかから、とにかくどれかを選ぶ割合が英国からくらベると極めて多い、(3)「学校の勉強や、受験勉強で得られる知識は仕事の役に立つとおもいますか」という質問では日本では役に立つとおもっている者の割合はすくない。「役にたたないと答えている」者が40%。英国では役に立つとおもっているものが半数。受験の知識や学校で教えられる知識について日本の受験生にレリバンスが極めて低いこと、である。このような日英受験生意識の差異は日本の大学入試問題とAレベル試験の差異を反映している。基礎知識・詰め込み型と客観式試験(マルティプル・チヨイス)の日本の入試問題と、応用力・創造力を問うことが意図された論述式のAレベル試験のそれぞれの特徴がこのような受験生の反応の差異をもたらしている。試験問題の内容や形式が人間形成に大きな効果を与えている。試験問題については従来公正な選抜の観点から判断されることが多かったが隠れた人間形成効果の点からも研究されなければならない。ただしこのことからAレベル試験問題を理想化するベきではない。Aレベル試験は大学課程の知識の理解を要求する。またコースワークもあり、基礎知識型とちがって科目に興味をもつことと、当該科目でよい成績をとることにおいて家庭の文化資本が大きく関与している。日本の入試問題に比較してAレベル試験ははるかに階級文化拘束的であり、選抜の公正という点では大きな弱点がある。選抜の公正と人間形成効果にディレンマがあることになる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)