EC資本主義形成過程の研究ー統合の展開と欧州再編ー
Project/Area Number |
03630021
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済事情及び政策学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 素香 東北大学, 経済学部, 教授 (20094708)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1991: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | EC統合 / 市場統合 / ME(マイクロエレクトロニクス)化 / 国際的寡占競争 / EC国民経済 / 経済・通貨同盟 / EFTA / EC中央銀行 |
Research Abstract |
本研究は1980〜90年代のEC統合について1986年以来進めてきた著書執筆の作業を完成することを目的としていた。研究成果は粗原稿の形で手元にあったが、平成3年のEC統合の展開を検討するとともに,欧米の研究成果を参照し,研究の完成度を高めることを目指したのである。予定どおり別掲の著書も刊行することができた。 著書は7章からなる。1章:80年代EC長期不況と経済統合,2章:市場統合戦略,3章:市場統合を補完するEC政策,4章:市場統合の展開と寡占企業の対応,5章:EC構成国と市場統合,6章:90年代のEC統合と欧州再編成,終章:90年代のEC統合と若干の展望。 本書の特徴は以下の点にある。第一に恐慌論的視角を採用して80年代EC長期不況を産業構造調整の遅れの問題と捉えた。そして市場統合を産業調整をECレベルで促進する運動を考えている。第二に何故ECレベルでなければならないかという理由をEC主要国の寡占体制へ打破はECでの国際的寡占競争によってのみ可能だったから,としている。この視角は西欧のEC統合研究の新らしい潮流の一つともいえるが,本書はそれを欧州多国籍企業の研究と組み合わせることによって,60年代と80年代の統合の共通点を明らかにすることができた。第三に市場統合以降のEC統合をEC国民経済形成という視角から評価し,その特徴をEC諸機関の権限の強化にあるとして,それを地域政策,独占禁止政策,市場政策,通貨政策などに則して実証するように努めた。 このような特徴をもつEC統合の総合的研究は欧米にも決して多くはなく,本書は現地の研究者にも問題提起できるだけの水準にあると考えている。実際にも一部をドイツの研究雑誌に投稿する準備を進めている。わが国のEC統合の研究の発展にも一定の貢献をなしている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)