Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
研究計画にあった2つの課題:代数曲線の基本群へのガロア群の作用と,それに関連して問題となる代数曲線のモジュライ空間;及び算術的不連続群のコホモロジ-群についての研究を行った。 研究代表者の織田は,以前の仕事をさらに発展させ,分担者の松本および東京電機大学の朝田衞とともに,代数曲線の退化に伴なう基本群のモノドロミ-作用について,組み合わせ群論の結果(具体的には,BassーServeの理論)を用いて,局所的に完全な記述を与える定式化を完成し,これを用いて局所モノドロミ-と基本群上のウェイト・フィルトレ-ションを退化ファイバ-の双対グラフの不変景によって記述した。最終目標は数論的問題への応用であるが,基礎的な結果であるので,ここまで得られた分のみでも,代数曲線のモジュライ空間の問題等の幾何学的応用も期待される。実際上の記述によって得られることより,少なくとも先行するBrylinskiの,代数曲線のモジュライ空間の境界でのuniversal unfolclingに関する結果は改良される。結果を正標数の代数曲線に成立するよう拡張することは次の課題である。 分担者の伊原は球面組み組群のGalois作用をさらに深く調べることを目標にした.5strings以上の組み組群のGalois像を制約する条件が,5stringのときの関係式以上に表われないこと既に示しているので,この事実を基にし,ガロア像のhie環の入るhie環の構造を調べた。次数が高くなるとフィルトレイションを手で調べるのは不可能となり,松本の協力を得て,より高次の部分は計算機によって調べ,いくつか興味深い事実を見出しつつある。 織田はSU(2,1),Sp(2:IR),SU(2,2)という小さな群のWhitlaker関数で離散系列表現に対応するものの明示的精分公式を見出した。これはL関係と特殊値の研究に新たな糸口を与えるかも知れない。
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