Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ここ数年来,関係空間上のコンパクト台をもつ連続線形写像全体の作る空間について,その空間の完備性を中心に,双対線形空間の位相的性質の研究を続けてきた。 本年度は完備性のみならず,その中の部分空間の状態を調べることにより,基盤となっている空間の位相的性質の特徴づけが得られることがわかり,その研究を行った。研究成果は1991年8月スイスのベルン大学で開催された一様系に関する国際シンポジウムで講演し,関連する内容も含めてS.Kundu(インド)と共著で発表する予定である。 また,コンパクト台と双対線形空間の研究の結びつきは,基盤の位相空間の中でのコンパクト大分集合の状態を調べることに始まり,その結果は位相空間論で常時問題にされる積空間の研究に役立つであろうということであった。積空間の位相的性質として,正規性の研究が多くの局題を提供してきた。この立場からコンパクト部分集合を相手にして作らせるKー解析集合との積空間のパラコンパクト性がもう一方の空間の位相的性質を特徴づけることがわかった。研究成果は1991年8月チェコスロギキアのプラハで開催された位相空間とそれに関連する分野についての国際シンポジウムで講演し,その内容は論文として発表の予定である。 この1年関,文科学研究費の援助により,上記2本の柱が立ち,それぞれについて学内・学外での対論を重ねることができ,更には学外の研究者と広く研究交流並びに情報交換ができたことは非常に有益であった。もう一つ,双対線形空間と測度論を結びつけての研究を考えてきたが,その成果を発表する迄には至らず,これは今後の課題として残り,さらなる研究として続けたいと考えている。
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