Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 隆英 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (20124852)
西山 昭徳 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (20041783)
小柴 洋一 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (00041773)
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 教養部, 教授 (40107850)
酒井 幸吉 鹿児島大学, 教養部, 教授 (20041759)
|
Research Abstract |
(1) 研究代表者は,これまでに,通常時異点を持った複素解析曲面の概念の一般化として,通常特異点を持った高次元複素解析的部分多様体の概念を導入し,その位相タイプ一定な普遍族が局所的に存在することを証明したが,本研究では,この研究を更に発展させ,複素多様体の中の局所安定なパラメ-タライゼ-ションを持った複素解析的部分多様体なる概念の定義を与え,任意のコンパクト複素多様体について,その中に含まれる局所安定なパラメ-タライゼ-タョンを持った複素解析的部分多様体の位相タイプ一定な普遍族(=局所自明な変位の普遍族)が大局的に存在することを示した。 (2) (1)の結果により,任意の非特異複素射影的代数多様体について,その中に含まれる通常特異点を持った複素代数的部分多様体の位相タイプ一定な普遍族の大局的存在が保障されるが,本研究では,(1)の結果に加えて,この普遍族に付隨して現れる混合ホッヂ構造の変形の周期写像が,F.Guillin等にするCubic hyperresolationとCohomological descentの方法を用いて,うまく記述できることを示した。 (3) 現在,(2)の結果を用いて,複素射影空間の中の,通常特異点を持った複素代数的部分多様体の位相タイプ一定な普遍族について,局所混合トレリ問題を考察中である。また,研究の途中で,「通常特異点を持った複素解析的部分多様体の,局所自明という条件をつけない任意の微少変位は,また,通常特異点のみを許容する複素解析的部分多様体か?」という問題が生じたが,この問題についても,複素解析空間の変形の一般論を用いて考察することを予定している。さらには,この問題に関連して現れるホッヂ構造ならびに混合ホッヂ構造の退化についても,今後,考察してみたいと考えている。
|