Research Abstract |
この研究では,退化する非線形放物型方程式の初期値問題や初期値境界値問題の解の性質の考察を行った.代表者南部はR^nにおける外部領域Ωにおける吸収項をもつ退化型非線形放物型方程式 u_t=Δ(u^m)ーu^pに対する初期値境界問題を考察した。Ωが有界領域で境界条件がOデ-タの場合におけるL.A.PeletierとM.Bertsch(オランダ)と南部との共同研究(1982年)があるが,この結果を踏まえて,今回のこの研究では,Ωが外部領域の場合で境界条件のデ-タ-がφ(x)φ(t)(≠O)の場合に対する問題の解の正値性,解のlocalization,解のinterfaceに関する考察を行った。ただし,初期値u_o(x)は非負のサポ-トコンパクトな連続関数,φ(x)はΩ上の非負の連続関数,φ(t)は[0,∞)上の連続関数と仮定する.さらに,m(>1)とp(>O)は定数とする。このとき次の結果を得た: 各t(>O)に対して,P(t)={XAIΩlu(x,t)>O}とおく. 1) 1<m≦pのとき,0<t_1<t_2ならばP(t_1)⊆P(t_2)が成り立つ. 2) 1<p<mでlimφ(t)=α(αは定数)のとき,すべてのtに対してP(t)⊆F t→∞ が成り立つtに無関係なある有界領域Fが存在する(すなわち,localizationが起こる). 代表者は現在これらの結果を含む形でより一般の場合の結果をまとめて発表する準備中である. 研究分担者笹野は位相幾何学的立場から本研究の問題の解の時間変数tに関する性質の考察に研究協力するとともに,今回は三次元球面上の非特異モ-ス・スメ-ル流に関する研究を行った.
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