Project/Area Number |
03640330
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含極低温・固体物性に対する理論)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 靖 東京大学, 理学部, 教授 (70011476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 章 東京大学, 理学部, 助手 (20192651)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 導電性高分子 / 金属転移 / ポリアセチレン / ソリトン格子 / ランダム不純物 / エネルギ-・ギャップ / パイエルス状態 / ソリトン |
Research Abstract |
本年度は大きな進展を見た。針谷寺井の論文は昨年度に引き続いた仕事で、ポリアセチレンの理論模型に不純物をランダムに分布させて数値シミュレイションをした。本年度は不純物のポテンシャルを現実に近い長距離型に取った。その結果ポリアセチレンのエネルギ-ギャップは実測値に近い不純物濃度で消えgapless Peierls stateになる。この結果は長距離型か短距離型かの区別によらない事が分かった。加藤和田はシミュレイションの結果を理論的に再現することを試みた。不純物はポリアセチレンに電子を供給したり受け取ったりする。電子状態はhalfーfilledでなくなり、格子はソリトン格子を作る。不純物ポテシャルが弱い極限での電子状態とソリトン格子状態は良く分かっている。ポテンシャルが効いてくると格子がピン止めされることは針谷寺井の仕事でも示されている。その効果を考慮するのは難しいので、取りあえず分布のランダムさのためにピン止めは弱いとした。するとポテンシャルの効果は主に格子の空間変化の振幅を変化させることに現われる。加藤和田はポテンシャルがないとき得られている格子の振幅を変えても、対応する電子状態が求めうる事を見いだし、それから振幅を不純物濃度の関数として表わすことに成功した。エネルギ-ギャップも実測値に近い濃度で消え、針谷寺井の結果に合致する。これは導電性高分子の金属転移機構が、ある程度ランダムに分布した不純物のポテンシャルによる可能性を示唆している。他にも、運動をしているソリトンの構造や性質のシミュレイションによる研究と理論研究が進展して注目に値する成果を挙げている。またソリトンと量子的フォノンの相互作用の効果を初めて見せる可能性のある同位元素効果の理論が定式化された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)