中層大気の放射平衡場における平均流・プラネタリ-波・内部重力波の相互作用の研究
Project/Area Number |
03640380
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
気象・海洋・陸水学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 浩 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (00115594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 豊 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助手 (90192468)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 中層大気 / プラネタリ-波 / 内部重力波 / バッシレ-ション |
Research Abstract |
中層大気の下部である成層圏では、短波と長波が関与する放射場およびプラネタリ-波や内部重-波など大気波動による力学場の相互作用によって変動状態が決定される。本研究では、プラネタリ-波の高調波成分およびニュ-トン冷却型赤外放射のみを含む中層大気の半球モデルをまず使用して長期間の時間積分を実施した。特に、成層圏大気の基本振動と考えられるバッシレ-ション現象に的をしぼって、その発生メカニズムを中心に考察した。バッシレ-ションは、主としてプラネタリ-波の活発な北半球に起きる現象で、突然昇温と東風生成の後、傾圧不安定領域が発生し東風の発達を停止させ再び西風に戻すというサイクルを繰り返していることがわかった。大気の渦粘性係数の大きさに依存し、あまり大きすぎると振動しなくなる。これまで、単純なチャンネルモデルで行なわれてきた結果と比較することによって、非線型効果も周期の決定に影響していることもわかってきた。 当初予定していた内部重力波の効果を調べるため、初期平衡状態の計算を試みたが、パラメタリゼ-ションの方式が不完全で、計算が発散した。その後、慣性重力波飽和の制限を導入して計算を行なった結果、数値計算の発散は止まったが、得られた平衡状態は現実大気と比較して、必ずしも十分満足できるものではない。現在、内部重力波の導入方式については、改良を加えながら計算を続行しており、早急に良好な結果が得られるものと期待できる。 南極成層圏の冬季における周極渦の増幅過程についても数値計算を実施した。初期状態に、強い極夜ジェットを与えると、昇温は起こらず、むしろ渦が強まり寒令化することがわかった。これは、内部重力波の不活発な南半球の状態と一致している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)