Project/Area Number |
03640420
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
薬師 久弥 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (20011695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜川 彰人 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (50211074)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | コバルトフタロシアニン / フタロシアニンラジカル塩 / BTDAーTCNQ / Ni(dmit)_2 / 有機導電体 / 1次元導体 / 反射スペクトル |
Research Abstract |
遷移金属を含む有機導電体の研究として今年度は以下に述べる3つの項目を実施した。 (1)超伝導を示すMe_4N[Ni(dmit)_2]_2と橋かけ型重なりをもつαー(Et_2Me_2N)[Ni(dmit)_2]_2について低温における反射スペクトルの測定を行った。反射スペクトルの解析から分子間の移動積分を見積り、バンド構造を推定した結果、シュブニコフ・ドハ-ス効果で予想されているフェルミ面に関する実験デ-タと良くあう結果を得た。この研究の特微は移動積分を個々に決定できるところにある。 (2)BTDAーTCNQは分子の周辺が硫黄と窒素原子で囲まれている新しい電子受容体である。遷移金属とのラジカル塩を探査する研究の過程で、TSeT(テトラセレノテトラセン)との電荷移動錯体に3種類の多形が存在し、そのうちの一つが1.5Kまで金属的であることを見出した。偏光反射スペクトルを測定した結果この物質の異方性は非常に強い事が分かったが、定量的な議論については遠赤外領域の分光測光の実験を待たなければならない。1.5K以下あるいは高圧下で超伝導転移を示すかどうかが今後の興味ある問題であり、現在その準備を進めている。 (3)部分酸化度、0,0.5,0.67,1の一連のフタロシアニン塩を合成してその偏光反射スペクトルならびに赤外領域の粉未吸収スペクトルを測定し、まだ定説の無いフタロシアニンラジカル塩の電子遷移の帰属を行った。またコバルトフタロシアニン塩は従来配位子部ではなく金属部が酸化されているとされていたが、CoPc(AsF_6)_<0.5>では他の金属フタロシアニン同様配位子部が酸化を受けている事を証明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)