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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
(1)トランスー1,4ージクロロおよびトランスー1,4ージクロモシクロヘキサンーd_8を合成し,トルエンーd_8中4mol%の低濃度下で高圧高分解能プロトンNMR(Vo=90MHz)を測定した。これらの化合物はー50℃に冷却することにより,ジアキシァル異性体(aa体)のαー位プロトンとジェクアトリアル異性体(ee体)のαー位プロトンとが分離して観測されるが,S/M比を改善するために約200回の積算をおこない常圧から約2000気圧までの測定をおこなった。αー位プロトンの面積強度の測定から反転平衡aa〕SY.dblharw.〔eeの平衡定数が求まるが、ジクロロ体,ジクロモ体のいずれについて も,加圧によりaa体が増加することがわかった。平衡定数の圧力変化からaa体とee体の部分モル体積の差(ΔV=VeeーVaa)を求めると,ジクロロ体ではΔV=4〜5cm^3mol^<ー1>,ジブロモ体ではΔV=6〜7cm^3mol^<ー1>なる値が得られ,高圧IRによる結果とかなりよい一致を示した。しかしながら,これらの結果は従来の静電収縮理論では説明できず,分子表面の局所的な電荷分布と溶媒分子の大きさ,形状をも考慮した溶媒和モデルによる解釈が必要である。なお,1,1ージフルオロヘキサン誘導体については種々の4,4ージアルキル置換体を合成し,常圧での予備測定と高圧での測定条件の設定を完了し たところであり,反転速度に対する圧力効果の測定を準備中である。 (2)新型高圧セルの開発については,まず合成石英試料(直径約0.5mm)の強度測定において7000〜20000気圧相当の引張強度を得ており,これをNMRセルに使用することによって耐圧性能の大巾な向上が期待できる。この他,ジルコニア製の耐圧セルの試作も完了し,内径2mmのセルについてスピニング条件下,ΔVh/2≒0.5Hz/100MHzの高分解能測定(但し現在のところ常圧にて)が可能であることがわかった。
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