Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Research Abstract |
新しい反応様式による立体選択的Michael等価反応を達成するためにまず,高効率的,高体立選択的ヘテロDielsーAlder反応と共に反応後の多様な官能基変換が期待できるヘテロジエンとして硫黄官能化エノンの合成法を開発した。即ち,ヘテロジエン基質としてのαースルホニルーα,βー不飽和カルボニル化合物は,ベンゼンスルフィン酸とクロロアセトンから得られるケトスルホンのジアニオンと種々のアルデヒドとのアルド-ル反応,続く脱水反応により合成した。 次に,官能化ヘテロジエンとモノ置換ビニルエ-テルとの反応を,種々のルイス酸〔ZnCl_2,ZnBr_2,ZnI_2,Eu(FOD)_3,TiCl_2(iーPrO)_2〕存在下,種々の条件下(溶媒,反応温度)で詳細に検討した。その結果,効率的ルイス酸触媒サイクル(0.005〜0.1当量)による反応の加速と共に高い立体選択性が認められた。高立体選択性は用いるルイス酸配位子のかさ高さに大きく依存していることが明らかとなった。特に,Eu(FOD)_3存在下の反応では,用いた4種の官能化ヘテロジエンのいずれの場合も,高収率(>90%),高立体選択的(100%エンド付加)に対応するジヒドロピラン誘導体を与えた。また,シスーおよびトランスー1,2ージ置換ビニルエ-テルとの反応では,いずれの場合も立体特異的かつ立体選択的に反応が進行してそれぞれ対応する単一のヘテロDielsーAlder付加体が得られた。さらに,鎖状立体化学制御の新手法の確立を目的に,これら立体選択的環状付加体の開環反応を種々の条件下で検討した。シスー1,2ージ置換ビニルエ-テルとの環状付加体からのアンチ付加体への鎖状立体制御が達成できた(収率50%)。しかし,トランスー1,2ージ置換ビニルエ-テルとの環状付加体からのシン付加体への鎖状立体制御には成功していない。現在,種々条件下での反応を検討中である。
|