Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1992: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
励起状態における分子間相互作用によって生成する励起錯体の化学的特性を明らかにし、新しい高選択的な光化学反応を開発することを目的として研究を進め、以下のような成果を得た。 1.キラルな2,2'-ジメチル-1,1'-ビアントリルとキラルな芳香族アミンとから生成する発光性励起錯体の蛍光をキラルな消光剤により消光する実験を行い、励起状態において不斉識別が起ることを明らかにした。また、カンファーをキラル置換基としてもつ1,4-ジシアノナフタレン誘導体と芳香族アルケンとの間でも励起状態において不斉識別が起ることを認めた。 2.分子内に電子受容性部分と電子供与性部分とを併せもつ化合物の励起状態における物理的・化学的性質を検討し、これらの化合物から生成する三分子励起錯体の特性を明らかにした。 3.1,4-ジシアノナフタレン誘導体と14族有機金属化合物との光反応では、1,4-ジシアノナフタレン誘導体のナフタレン環へのアルキル化およびアリル化反応が位置選択的に起ることを見い出した。 4.9,10-ジシアノアントラセン(DCA)を増感剤とする分子内にOH基および-(OCH_2CH_2)_n-基(n=1,2,3)をもつ芳香族アルケンの分子内光極性付加反応では、6-12員環のクラウン型エーテルが生成することを見い出した。 5.励起錯体を経由する光化学反応について励起錯体の構造と反応性との関係を検討し、励起状態における分子間相互作用に関する多くの新しい知見を得た。
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