ジョウロウグモの神経毒ネフィラトキシン類の合成研究
Project/Area Number |
03640476
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
天然物有機化学
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮下 正昭 長崎大学, 薬学部, 助教授 (50006326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 寛 長崎大学, 薬学部, 教授 (00025686)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ジョロウグモ / クモ毒 / ネフィラトキシンー11 / ネフィラトキシンー9 / ネフィラトキシンー10 / ネフィラトキシンー12 / 全合成 / アジド中間体 |
Research Abstract |
ジョロウグモの毒素はアミノ酸とポリアミンから成る全く新しい型のペプチド様神経毒であり、グルタミン酸による神経筋興奮伝達を特異的に遮断する事から、現在の神経生理学の分野で最も重要視されている化合物である。本研究は、研究計画に従いそれらの代表者毒素であるネフィラトキシン類(NPTXー1〜12)の全合成を目指して遂行されたものであるが、その結果最もグルタミン酸遮断活性の強いNPTXー9およびNPTXー10の最初の全合成に成功すると共に、それらの末端のアルギニン残基のとれたNPTXー11および12の合成に成功した。これらのクモ毒素の合成上の最大の課題はカダベリンやプトレアニンなどのポリアミン部の導入であるが、本研究によって開発されたアジト中間体を用いる方法により極めて効率的にポリアミン部を導入できることが判明した。この方法論は他のクモ毒や昆虫毒の合成にも適用することができ、今後幅広く応用されるものと考えられる。今回の合成により、ネフィラトキシン類の3つのタイプのうちインド-ル酢酸ーアスパラギンーカダベリンープトレアニンの配列を持つ系列のもの(NPTXー1,2,5,6,10,12)とインド-ル酢酸ーアスパラギンーカダベリンーオルニチンの配列をもつクモ毒(NPTXー9,11)の合成による供給ル-トが拓かれた事になる。今後はもう一つのタイプのクモ毒であるNPTXー7およびNPTXー8の合成に着手する予定である。なお、今回の研究によって得られた成果は2つの論文にまとめ現在Tetrahedron Lettersに投稿中である。最後に、本研究は科学研究費の助成により大きな成果を収めることが出来たものであり、ここに深く謝意を表する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)