鉄タンパクに存在する二核高スピン鉄二価三価混合原子価錯体のモデル化合物の開発
Project/Area Number |
03640515
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機・錯塩・放射化学
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 正樹 金沢大学, 理学部, 助教授 (20091390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 宜仁 金沢大学, 理学部, 助手 (10231531)
上原 章 金沢大学, 理学部, 教授 (30019484)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 鉄二核錯体 / 混合原子価錯体 / 二核鉄酸素錯体 / 四核鉄混合原子価錯体 |
Research Abstract |
最近、生体系に存在する二核鉄タンパクは、高スピン二価三価混合原子価状態を取りえることが明かとなてきた。例えば、Pink Uteroferin,Methane Monoxygenase,Ribonucleotide Reductase,Hemerithrin等であり、その機能は、加水分解、酸素化、酸化、酸素運搬など多岐にわたっている。これら鉄タンパク物性を理解するうえで二価三価混合原子価状態は重要な酸化状態である。しかし現在のところ、二核高スピン二価三価混合原子価錯体の合成例は、我々が先に報告した【Fe_2(bpmp)(RCOO)_2】^<2+>(bpmp=2,6ーbisー【bis(2ーpyridylーmethyl)aminomethyl】ー4ーmethylphenolato)がはじめてであり、まだほんの数例しかない。二核二価三価混合原子価錯体を得るには、金属イオンを二つ取り込み、且つ二つの金属イオンの酸化状態の制御が可能な配位子の設計が必要である。本研究では、この目的で1,3ーbis{bis【2ー(6ーmethylpyridyl)methyl】aminoーmethyl}ー2ーpropanolato(6Meーtpdp)を合成した。本配位子では二価二価、二価三価、三価三価の全ての酸化状態を持つ錯体が得られた。二価二価錯体(【Fe_2(6Meーtpdp)(RCOO)】^<2+>)は、低温(-20℃)で酸素と可逆的に反応し、μーパ-オキソ二核鉄錯体を生成することが明かとなった。更に、フッ化物イオンの存在下酸素と反応させると、黒緑色の結晶が得られ、Xー線結晶構造解析の結果、二つのアルコキソ架橋二核鉄(II,III)錯体が更にフルオロ架橋により結ばれた四核鉄(II,III,II,III)混合原子価錯体(【{Fe_2(6Meーtpdp)F(OH)(H_2O)}_2】(BF_4)_4)であることが明かとなった。また、非対称的配位環境を持つ二核化配位子でも二価三価混合原子価錯体を得ており、今後詳しい構造・物性等を調べていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)