金属クラスタ-ユニット多重化による新機能性分子空間の形成
Project/Area Number |
03640516
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機・錯塩・放射化学
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾中 証 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50024302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 繁 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (70206720)
田中 清明 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (00092560)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 遷移金属含有配位子 / 金属クラスタ- / 有機スペ-サ- / 有機金属スペ-サ- |
Research Abstract |
金属クラスタ-を構成する金属原子数を分子設計的に増加させる為,RーC Co_3(CO)_9型化合物を基本クラスタ-として採用し,次の二つの方法を検討した。 (1)遷移金属含有配位子を用いた金属原子数の増大 (2)ーC Co_3(CO)_9ユニット複数個を,有機スペ-サ-,有機金属スペ-サ-に取り込むことによる金属クラスタ-ユニットの多重化 まず(1)の方法としてdppfe(dppfe=1,1'ービス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)とFc C Co_3(CO)_9(Fc=C C_5H_4)Fe(C_5H_5))の反応を検討した.両者はベンゼン中で加熱する事により容易に反応し,Fc C Co_3(CO)_7dppfe(1)を生成した。(1)は通常のRC Co_3(CO)_9に比べて構成金属原子数が2個増加したクラスタ-であり, ^<57>Feーメスバウア-スペクトルの測定から,Fc中のFeと,dppfe中のFeの電子状態に有意の差があることが判明した. 次に(2)のアイデアとして,ーC Co_3(CO)_9を組み込む母体(スペ-サ-)としてフェロセン,ベンゼン環を検討した.Pー(Cl_3C)_2C_6H_4とCo(CO)_4^ーとをTHF中で反応させることにより(CO)_9Co_3C【chemical formula】C Co_3(CO)_9(2)を合成することに成功した.2は通常のRC Co_3(CO)_9と比較して異常な吸収スペクトルと,有機溶媒に対する難溶性を示し,スペ-サ-としてのフェニル基を介して二つのーC Co_3(CO)_9ユニット間に強い相互作用があることが示唆された。またフェロセンをスペ-サ-として用いる反応では{C_5H_4C(O)Cl}_2FeとH_2NC(O)C Co_3(CO)_9との反応により新化合物(3)が得られた.目下この3について同定を進めている。また新化合物2の単結晶X線構造解析も進行中である。 以上の成果からも明らかなように,申請した研究課題は大きな成果を収めつつあり,今後の発展が十分期待できる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)