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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
1.前立腺を誘導する間充織の部域性の解明 ラット胎兒の尿制殖洞を背側と腹側に2分し、それぞれより間充織を分離した。この間充織がそれぞれ背側前立腺と腹側前立腺を誘導しうるか否かを知るため,これらの間充織を膀胱上皮を再結合して器官培養したところ,それぞれから形態学的に同定できる背側前立腺,腹側前立腺が誘導された。そこで,これらの構造が真に前立腺部域特異的タンパクをつくっているか否かをしらべた。方法は前立腺上皮抽出物を高速液体クロマトグラフィ-により分画し,各画分をSDSーPAGE電気泳動後,銀染でポリペプチドを検出した。500本以上のバンドを比較検討した結果,尿生殖洞間充織に結合された膀胱上皮は,膀胱特異的なバンド7本のすべてを失い,代わりに前立腺特異的なバンド16本を発現することがわかった。さらに、背側尿生殖洞との結合では,背側前立腺特異的なポリペプチドが,腹側尿生殖洞との結合では,腹側前立腺特異的ポクペプチドが誘導されるのが明らかとなった(研究発表第1論文)。 2.前立腺の発生分化を指令する特異的因子の探索 これまで我々の研究から尿生殖洞間充織が前立腺の発生分化を指令するためには少なくとも12時間前に間充織がアンドロゲンによって活性化される必要があるが,尿生殖洞上皮にはアンドロゲンレセプタ-がなく,上皮に効くのはアンドロゲンではないことがわかっている。そこで,アンドロゲン処理によって活性化された尿生殖洞間充織が発現する因子が前立腺誘導因子である可能性がある。この可能性をたしかめるため,胎兒の尿生殖洞間充織のアンドロゲン末処理群,処理群を集め,両者の抽出液を高速液クロで分画し,各画分中のタンパクをSDSーPAGE法により分離し,アンドロゲン処理群にのみ出現するタンパクの存在を見いだした。現在この物質の特性を研究中である。
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