脊椎動物細胞におけるミオシンIおよびミオシンI様蛋白質の存在と機能の解析
Project/Area Number |
03640621
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物発生・生理学
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大室 弘美 東京大学, 医学部・(医), 助手 (00124470)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | ミオシン分子種 / ミオシンI / 好中球 / ピロリン酸ゲル電気泳動 |
Research Abstract |
脊椎動物におけるミオシンIおよびミオシンI様蛋白質の存在と機能について解析することを目的として、本年度はヒト、ブタおよびモルモットの好中球を材料として以下のことを行った。ミオシンIは低イオン強度で可溶性であるが、細胞の機能発現時には不溶性の膜分画に移行する可能性が高い。そこで、細胞機能静止時と機能時(遊走時、活性酸素生成時)の好中球を生理的イオン強度で破砕し、可溶性分画と不溶性分画に分けてミオシン分子種とその動態について電気泳動およびイムノブロットを用いて検討した。細胞破砕は機能静止時の細胞に活性酸素生成を起こさせないような短時間の超音波処理により行った。各分画と、抗DictyosteliumミオシンI重鎖抗体、抗ラット子宮平滑筋および抗砂嚢平滑筋ミオシンII重鎖抗体の反応性をイムノブロットで調べた。抗ミオシンI抗体は、機能静止時の好中球の可溶性分画の約230Kdペプチドと反応したが、これは不溶性分画にほとんど存在せず、細胞機能時に局在の変化は見られなかった。報告されているミオシンI重鎖は120Kd付近であること、含量が比較的多いこと、ミオシンを非変性状態で特異的に電気泳動するピロリン酸ゲル電気泳動(PPi PAGE)でミオシン(ミオシンIも解析可能である)の挙動を示さないことなどから、このペプチドがミオシンIである可能性は低い。また、2種の抗ミオシンII重鎖抗体による解析で、細胞機能静止時にはミオシンIIは可溶性分画に70%以上存在するが遊走により可溶性分画から不溶性分画に移行し、存在比は1:1に変化することが明らかになった。これはミオシンIIの遊走への関与を支持するデ-タである。このようなミオシンIIと同様な挙動を示す分子量約140KdのペプチドをPPi PAGEで検出しており、報告されているミオシンIより分子量は大きいがミオシン分子種であることを示唆するデ-タを得ており、さらに解析を進めるためこのペプチドを精製中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)