Project/Area Number |
03640634
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小川 和男 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30132731)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Keywords | ダイニン / モ-タ-蛋白質 / ATP結合部位 / コンセンサス配列 / 微小管結成部位 |
Research Abstract |
微小管モ-タ-蛋白質ダイニンβ重鎖の機能を一次構造から明かにする目的で、その遺伝子クロ-ニングを行い、全アミノ酸配列を決定した。β重鎖は4、456個のアミノ酸よりなる分子量52万のペプチドで、これまでに報告されている機能を持ったペプチドの中で最大のものであった。二次構造予測の結果、分子は2つのαヘリクスに富む領域と、3つのβ構造に富む領域(アミノ末端からN、M、C領域と呼ぶ)からできていた。β重鎖はトリプシンによって限定分解を受け、ATP分解酵素活性を持つ分子量40万のフラグメントAになる。β重鎖はSDSーPAGEでは1本のバンドであったが、フラグメントAは2本のバンドになった。その理由は解明されていなかったが、本研究の結果、MとCの2つの領域がその間に存在するαヘリクスのロイシンジッパ-構造によって分子内結合をとっていることと、トリプシンの分解部位を同定することによって見事に説明することが出来た。β重鎖はATP加水分解酵素活性があるのでATP結合のコンセンサス配列を検索した。その結果、コンセンサス配列は分子中央のM領域にGKT、GKS1、GKS2、SGK部位と名ずけた4箇所にあった。従来の研究では、β重鎖のバナジン酸存在下での紫外線切断実験により2つのヌクレオチド結合部位(V1とV2と呼ぶ)の相対的位置が決められていたが、本研究の結果、GKTとSGK部位がこれら2つの結合部位と完全に一致し、前者がV1、後者がV2に相当した。本研究で明かにした2つのGKS部位の存在は従来の研究では予測できなかったため、これらの部位が実際にヌクレオチド結合活性を持っているかは今後の研究課題である。β重鎖は2つの微小管結合があるとされていたが、本研究の結果、NがAサブファイバ-、Cが隣接するBサブファイバ-と結合する領域と推定できた。そしてMとCでモ-タ-領域を形成していると推定できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)