薄膜材料における自己拡散および不純物拡散機構の解明
Project/Area Number |
03650002
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中嶋 英雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30134042)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | 薄膜 / 拡散 / 自己拡散 / 不純物拡散 / 短同路拡散 |
Research Abstract |
薄膜の合成過程における組織の形成、変化は構成原子の拡散により律速されている。従って、薄膜における拡散の原子的機構を明かにし、種々の条件下における拡散係数の正確な値を知ることは薄膜の性質を理解するために不可欠である。また、拡散の知識は種々の機能性薄膜を合成する上でも重要であるばかりでなく、高集積回路(VLSI)における多層電極、配線技術上の問題とも密接に関係している。これら薄膜の拡散に関して従来、数多くの研究がなされているにもかかわらず、拡散機構を解明するための系統的な実験的研究は非常に少ない。ところで、薄膜の構造、不純物濃度、格子欠陥の種類と濃度は、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法などの薄膜作製法に大きく依存する。それに伴って、薄膜の拡散挙動も大きく異なることが予想されるが、作製法の違いによる同一組成の薄膜の拡散を系統的に調べた研究は皆無である。そこで、本研究では、上述の種々の方法を用いて作製した薄膜材料における相互拡散をオ-ジェ分光分析法によって測定し、これらの拡散に及ぼす転位、結晶粒界、集合組織(texture)、および微量不純物の影響を詳細に調べると共に、その拡散機構を解明することを目的とした。 Fe/Cr二重薄膜および多層膜をRFスパッタリング法、電子ビ-ム真空蒸着法およびCVD法を用いて作製した。超高真空中において所定の温度、所定の時間、拡散アニ-ルを行なった。アニ-ル前後の構成元素の濃度分布をオ-ジェ分光分析法およびラザフォ-ド後方散乱法を用いて測定した。これらの二重薄膜の濃度分布は誤差関数に、また、多層膜の場合はHilliardーCahnの式にそれぞれベスト・フィットして相互拡散を評価した。同一温度で比較すると、従来、測定されたバルク試料の相互拡散係数に比べて、スパッタ薄膜の拡散係数は小さな値が得られた。現在、同様の測定を他の製法による薄膜についても行なっている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)